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オリパの課金総額は経費にできる?高額カードを売った場合と赤字申告の可否

ご相談の内容

コレクションとしてオンラインのオリパ(中身がランダムなカードのくじ)を続け、高額カードが当たって200万円で売却しました。当てるまでの課金は250万円ほどです。別の方からは「課金総額は500万円、手元に時価200万円ほどのカードが100枚残っている。課金総額を雑所得の経費にして赤字で申告できないか」というご相談もありました。

ここでは、課金総額をどこまで差し引けるかと、赤字申告で税金が減るかの2点に絞って整理します。

結論
  • 高額カードを売ったとき差し引けるのは、原則としてそのカードが当たった回の購入額と売却手数料など。それまでの課金総額は差し引けない
  • 雑所得として課金総額を経費にし赤字申告をしても、雑所得の赤字は給与と相殺できず、繰越しもできないため、税金が減る効果はほぼない
  • 手元に残っているカードは売るまで経費にならない。まだ売っていなければ、そもそも申告すべき所得が生じていない可能性もある

回答

ケース1:コレクションの高額カードを1枚売った

コレクション目的で集めたカードの売却であれば、売却益は総合課税の譲渡所得になります。日常生活で使う家具や衣服などの売却益は非課税ですが(所得税法9条1項9号、所得税法施行令25条)、高額な趣味のトレーディングカードはこれにあたらず、課税対象になると考えられています。

取得費(その資産を手に入れるために支払った金額。所得税法38条)として差し引けるのは、原則としてそのカードが当たった回の購入額です。オリパは1回ごとにカードを購入する取引と捉えるのが一般的で、外れた回の購入代金はその回で手に入れた別のカードの取得費になります。今回のカードの取得費にはなりません。

売却額 -(当たった回の購入額 + 売却手数料・送料など)- 特別控除(最大50万円)= 譲渡所得

たとえば売却額200万円、当たった回の購入額と売却手数料などの合計が10万円なら、200万円 − 10万円 − 50万円 = 140万円です。カードの保有期間が5年以内なら短期譲渡となり、この金額の全額が給与など他の所得と合算されて課税されます(所得税法33条)。

ケース2:課金総額を経費にして赤字申告したい

一時所得とみる場合

当たりのカードを換金した利益が、偶然の当たりによる一時的な利益であれば一時所得です(所得税法34条、タックスアンサーNo.1490)。一時所得で差し引けるのは「その収入を得るために直接支出した金額」に限られるため、当たった回の課金分しか引けません。

雑所得とみる場合

転売目的で継続的・大規模に購入と売却を繰り返しているなら、雑所得(同法35条、タックスアンサーNo.1500)とされる余地があります。馬券の外れ券の購入費が経費と認められた最高裁判例(平成27年3月10日)も、営利目的で継続的に購入していた実態を前提にしたものです。

ただし、雑所得と認められても次の2点で、赤字申告の効果はほぼありません。

ポイント内容
赤字は相殺できない雑所得の赤字は給与など他の所得と損益通算できず、翌年への繰越しもできない(同法69条、タックスアンサーNo.2250)。課金総額500万円と手元カード200万円の差額300万円を損失と考えても、給与の税額は減らない
手元のカードは在庫残っているカードは在庫にあたり、その取得費は売却するまで経費にならない

そもそも所得が生じているか

まだカードを売っておらず利益が出ていないなら、申告すべき所得自体が生じていない可能性があります。

また、カードを個人の趣味の物として売った場合は、生活用動産(日常生活で使う家財など)の譲渡として非課税になり得ます(同法9条1項9号、同法施行令25条)。この場合、損失もなかったものとみなされます(同法9条2項1号)。ただし1枚30万円を超える高額カードは、この非課税の対象から外れる可能性が高いです。

注意したいポイント

  • 損失の相殺は同じ譲渡所得の中だけ:コレクションの別のカードを売って損失が出た場合、同じ年の譲渡所得の中で差し引ける可能性はありますが、給与所得との相殺はできません(所得税法69条2項)
  • 獲得時に一時所得とする見方もある:高額カードが当たった時点で一時所得が生じるとする見方もあり、オリパに特化した国税庁の明確な見解は見当たりません
  • 事業所得のハードルは高い:赤字を他の所得と相殺できるのは事業所得と認められる場合ですが、事業として営んでいると言えるか(所得税基本通達35-2)の判断は厳しく、趣味の延長では難しいと考えられます
  • 会社員の申告の要否:譲渡所得など給与以外の所得が年20万円以下なら、所得税の確定申告は不要です(所得税法121条)。住民税の申告は別途必要です。いずれの場合も、当たった回の購入額や売却額の明細は保存しておきましょう

当てたカードを売ったときの所得区分の基本はオンラインオリパで当てたトレカを売ったら確定申告は必要?、ポイント交換や販売目的での仕入の考え方はオリパのポイント交換や手元のカードに税金はかかる?で解説しています。

まとめ

  • 高額カードの売却で差し引けるのは、原則として当たった回の購入額と売却手数料など。課金総額の全額を差し引くのは難しい
  • 雑所得として赤字申告をしても、雑所得の赤字は給与と相殺できず繰越しもできないため、税金はほぼ減らない
  • 手元のカードは売るまで経費にならず、未売却なら所得自体が生じていない可能性もある

この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。

よくある質問

高額カードを当てるまでに使った課金の合計を、売却額から差し引けますか?
原則として差し引けません。オリパは1回ごとにカードを購入する取引と捉えるのが一般的で、外れた回の購入代金はその回で手に入れた別のカードの取得費になります。差し引けるのは、そのカードが当たった回の購入額と売却手数料などが基本です。
雑所得として課金総額を経費にし、赤字で申告すれば給与の税金は戻りますか?
戻りません。雑所得の赤字は給与など他の所得と損益通算ができず、翌年への繰越しもできません(所得税法69条、タックスアンサーNo.2250)。赤字を他の所得と相殺できるのは事業所得と認められる場合ですが、そのハードルは高いです。

※本記事は2026年10月21日時点の法令・制度に基づく一般的な解説です。個別の状況により結論が異なるため、実行前に専門家へご相談ください。

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