ご相談の内容
会社員として働きながら、オンラインのオリパ(中身が分からないカードのパック)で当てたトレーディングカードを、フリマアプリやカードショップで1年間に合計100万円ほど売りました。売ったカードを当てた回に直接使ったのは5万円ほどですが、外れた分も含めたオリパへの課金総額は90万円ほどになります。
この場合、カードを当てたときと売ったときの所得の区分はどうなるのか、何を差し引けるのか、確定申告は必要か、というご相談です。
- カードを「当選した景品」とみれば獲得時に一時所得、「代金を払って買ったもの」とみれば売却時に雑所得または譲渡所得として課税されます
- 差し引けるのは、売ったカードを当てるために直接使った金額が基本です。外れた分を含む課金総額は原則として差し引けません
- 給与以外の所得が20万円を超えれば確定申告が必要で、このご相談の金額では申告が必要になる可能性が高いです
回答
考え方1:当選品として「一時所得」とみる場合
一時所得とは、懸賞や福引の当選品のように、偶然に得た臨時の利益のことです(所得税基本通達34-1)。オリパで当てたカードを当選品とみると、カードを獲得した時点で一時所得になります。
計算は次のとおりで、その2分の1が給与と合算されます(所得税法34条、22条2項)。
差し引けるのは、売ったカードを当てるために直接支出した金額(ご相談の例では約5万円)です。外れた分を含む課金総額約90万円は差し引けません。
獲得時の価額を仮に売却額と同じ100万円とすると、100万円-5万円-50万円=45万円、その2分の1の22.5万円が課税対象です。所得税率5%の区分であれば、所得税・復興特別所得税で約1.1万円、住民税で約2.3万円が目安です。
この考え方では、売ったときは次のように扱います。
- 手元で楽しむ目的のカードなら、生活用動産(日常生活で使う家財)の譲渡として非課税(所得税法9条1項9号)。ただし1点30万円を超え、骨とう・美術工芸品に類するものは課税対象になり得ます(所得税法施行令25条)
- 転売目的と見られる場合は譲渡所得。それでも獲得時の価額が取得費(購入代金にあたる金額)になるため、利益はほとんど出ない見込みです
考え方2:カードの「購入」とみる場合
オリパは代金を払ってカードを買う取引とも考えられます。この場合、獲得時には課税されず、売ったときに課税されます。
| 売り方 | 所得区分 |
|---|---|
| 利益目的で繰り返し売っている | 雑所得(所得税法35条) |
| たまたま手元のカードを売った程度 | 譲渡所得(同法33条) |
必要経費(売上から差し引ける費用)は、売ったカードを得るために支払った金額が基本です(同法37条)。売ったカードに対応しない課金分や、まだ手元にあるカードの分は原則として差し引けません。
- 経費を5万円とする場合:100万円-5万円=95万円で、申告が必要です。所得税5%(別途、復興特別所得税)と住民税10%で、合わせて14万円前後の負担増が目安です
- 経費を90万円とできる場合:10万円となり、所得税の申告は不要ですが、住民税の申告は必要です
確定申告が必要かどうか
給与の支払元が1か所で年末調整を受けていれば、給与以外の所得が20万円を超えるかで判断します(所得税法121条、国税庁タックスアンサーNo.1900)。年末調整を受けていない場合は、精算のために申告するのがよいでしょう。
注意したいポイント
- 外れ分の課金は原則として引けない:按分して差し引けるかは、課金履歴でどのカードにいくら使ったかを説明できるか次第です
- 獲得した年で判断する:一時所得とみる場合、獲得が前の年なら、その年分の所得になります
- 記録を残す:獲得履歴・課金明細・売却記録を整理しておくと、申告や相談がスムーズです。申告期間中の税務署の無料相談でも、税理士への相談でも対応できます
ネットでの売買収入の区分については、雑所得と事業所得の区分を解説した記事も参考になります。
まとめ
- オリパのカードは、当選品とみれば獲得時に一時所得、購入とみれば売却時に雑所得・譲渡所得
- 差し引けるのは売ったカードを当てるのに直接使った金額が基本で、外れ分の課金は原則引けない
- 会社員でも給与以外の所得が20万円を超えれば確定申告が必要。20万円以下でも住民税の申告は必要
この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。
