ご相談の内容
扶養の範囲内でパートをしています。フリマアプリで、子どものサイズアウトした服やおもちゃを売り始めたところ、売上が20万円を超えました。毎月10件ほど売れていますが、反復して売っていると判断されないか。自分が子どものころに遊んでいたキャラクター商品が数万円で売れたが、不用品の販売といえるのか。申告が必要な場合、仕入れの記録がない物はどう計算するのか。住民税の申告が必要になるのはどんな場合か、というご相談です。
- 自分や家族が実際に使っていた不用品を売っただけなら、売上が20万円を超えても所得税の確定申告は不要で、住民税の申告も原則不要
- 非課税かどうかは、件数や値段ではなく「何を売ったか」で判断する
- 「20万円」は売上ではなく利益(売上−経費)の基準。課税対象の副収入が20万円以下でも、住民税の申告は必要
回答
生活用動産の売却は非課税
家具・衣服・おもちゃなど生活に使っていた動産(生活用動産)を売って得たお金は、所得税法9条1項9号と所得税法施行令25条により非課税です。
非課税かどうかは、販売件数や売れた値段ではなく「何を売ったか」で判断します。そのため、月10件程度の出品でも、不用品の処分であれば反復性は問題になりません。自分が子どものころに遊んでいたキャラクター商品も、自分で使っていた物であれば生活用動産にあたり、1点5万円で売れても非課税です。
| 売った物 | 扱い |
|---|---|
| 自分や家族が使っていた服・おもちゃ・家具など | 非課税 |
| 貴金属・宝石・書画・骨とう品などで1個(1組)30万円超のもの | 課税対象(タックスアンサーNo.3105) |
| 転売目的で仕入れた物 | 非課税の対象外。雑所得や事業所得になる |
「20万円」は売上ではなく利益の基準
「給与以外の所得が20万円以下なら確定申告は不要」という基準(所得税法121条)は、給与所得者の給与以外の所得、つまり売上から経費を引いた利益が20万円以下なら申告不要という意味です。売上の金額で判断するものではありません。
申告が必要な場合の計算
非課税であれば、利益の計算や申告は必要ありません。
仮に転売目的の取引などで課税対象となる部分がある場合は、実際に支払った購入価格を差し引くのが原則です。購入履歴やカード明細などで、実際の金額を確認できるものを使ってください。ネットで調べた定価をそのまま当てはめる方法は、実際の購入額と異なる可能性があり、根拠として弱くなりますので避けたほうが安全です。
住民税の申告が必要になる場合
所得税の「給与以外の所得が20万円以下なら申告不要」というルールは、住民税にはありません。そのため、課税対象となる副収入が20万円以下で所得税の申告をしない場合でも、住民税の申告が必要になります。具体的な提出方法は、お住まいの市区町村に確認してください。
不用品の販売のような非課税所得は、住民税の申告も原則として不要です。
注意したいポイント
- 扶養への影響もない:非課税所得は、扶養の判定に使う合計所得金額にも含まれません。そのため、扶養の範囲内での働き方にも影響しません。
- 「使っていた物」であることの記録を残す:販売した商品の一覧と、それが自宅で使っていた物であることが分かる記録(取引履歴など)を残しておくと安心です。
- 仕入れて売り始めたら別の話:売るために買った物の販売は非課税にならないため、出品の中身が変わったら、利益の計算と申告の要否を確認しましょう。
給与以外の収入があるときの住民税の仕組みは会社員の不動産投資と住民税の普通徴収(不動産投資の例です)もあわせてご覧ください。
まとめ
- 自分や家族が使っていた不用品の売却は、売上が20万円を超えても非課税で、確定申告も住民税の申告も原則不要
- 非課税かどうかは「何を売ったか」で判断する。30万円超の貴金属などや転売目的の物は課税対象
- 「20万円」は売上ではなく利益の基準。課税対象の副収入が20万円以下でも、住民税の申告は必要
この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。
