ご相談の内容
今年、株式を売却して利益が出ました。証券会社の口座で税金(住民税を含む)が源泉徴収されています。この場合でも、今年ふるさと納税をすることはできるのか、どのようなメリットがあるのか、というご相談です。
- 株で利益が出た年でも、ふるさと納税はできます
- 源泉徴収ありの特定口座で確定申告をしない場合、株の利益は控除上限額の計算に含まれません
- 申告すれば上限額は増える可能性がありますが、国民健康保険料や扶養の判定などへの影響と比べて判断します
回答
申告しなければ、株の利益は上限計算に入らない
源泉徴収ありの特定口座とは、証券会社が税金を差し引いて納めてくれる口座のことです。株の利益にかかる税金は次のとおりで、合計20.315%が源泉徴収されます。
| 税目 | 税率 |
|---|---|
| 所得税 | 15% |
| 復興特別所得税 | 0.315% |
| 住民税 | 5% |
確定申告をしなければ、これで課税が完結します(申告不要制度、租税特別措置法第37条の11の5)。この場合、住民税の寄附金税額控除の上限計算に株の利益は反映されず(地方税法第37条の2、第314条の7)、上限額は給与など他の所得をもとに決まります。
申告すれば上限は増える可能性がある
確定申告で株の利益を申告すれば、その利益も上限額の計算に含まれ、寄附できる額が増える可能性があります。ただし、申告すると利益が合計所得金額に含まれるため、次のような影響があり得ます。
- 国民健康保険料や後期高齢者医療保険料が増える
- 配偶者控除や扶養控除の判定(扶養に入れるかどうかの所得要件)に影響する
- 医療費の自己負担割合が変わる
なお、令和6年度分以後の住民税では、所得税で申告した株の利益を住民税だけ申告不要とする選択はできなくなっています。上限額が増える効果と、上記の影響を比べて判断することをおすすめします。また、上場株式等の譲渡所得がある場合の特例控除額の計算方法は、通常と異なる場合があります。
ふるさと納税のメリット
主なメリットは、上限額の範囲内であれば自己負担2,000円で返礼品を受け取れることです。寄附額から2,000円を除いた額が、所得税と翌年度の住民税からそれぞれ控除されます(国税庁タックスアンサーNo.1155)。
注意したいポイント
- 期限は12月31日:今年分の控除にするには、年内に寄附を完了します
- 確定申告をするならワンストップ特例は使えない:ワンストップ特例(申告なしで控除を受けられる制度)は無効になるため、寄附金控除も確定申告書に記載します
- 申告不要のままならワンストップ特例も可:株の利益を申告せず、ほかに確定申告の必要がない給与所得者であれば、寄附先が5自治体以内に限りワンストップ特例を利用できます
- 上限額の確認:各ふるさと納税サイトのシミュレーションで、給与所得などの見込額を入力して確認できます
株の売却にかかる税金の仕組みは、個人株主が株式を売ったときの税金でも詳しく解説しています。
まとめ
- 株で利益が出た年もふるさと納税はできるが、申告しなければ株の利益は上限額に反映されない
- 申告すると上限は増え得る一方、保険料・扶養判定・医療費負担への影響があり、ワンストップ特例も使えない
- 今年分の控除にするには12月31日までに寄附を完了する
この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。
