年末調整・給与・社会保険

育休中の年末調整、自分名義の生命保険料控除は夫婦どちらで申告する?

ご相談の内容

年の初めから産休・育休に入り、その年の給与は復帰後のわずかな額だけ、あとは出産手当金や育児休業給付金という方からのご相談です。自分名義で入っている生命保険や子どもの学資保険の控除を、自分の勤務先の年末調整で申告すべきか、配偶者控除を受ける夫の年末調整で申告すべきか迷っています。夫の側で申告する場合、自分の年末調整では何も書かずに出してよいのかも気になるところです。

結論
  • 生命保険料控除は、契約者の名義ではなく、実際に保険料を負担した人が受けられる
  • 夫が保険料を負担しているなら、夫の年末調整で申告するのが有利。自分の申告書の保険料欄は空欄で構わない
  • 育休中で自分の所得が0円なら、自分の年末調整で控除を申告しても税額は減らない

回答

控除を受けるのは「保険料を負担した人」

生命保険料控除とは、支払った生命保険料に応じて、所得から一定額を差し引ける制度です。この控除は、保険の契約者が誰かではなく、実際に保険料を負担した人が受けられます(所得税法第76条、国税庁タックスアンサーNo.1140)。保険金の受取人が本人・配偶者・その他の親族であることも要件ですが、ご家族の保険であれば通常は満たします。

育休中の自分の所得は0円になりやすい

出産手当金と育児休業給付金は非課税のため、収入には含めません。たとえばその年の給与と賞与の合計が20万円程度であれば、給与所得控除(給与収入から差し引ける概算の経費)を差し引くと、所得は0円になります。

もともと所得税がかからない状態なので、ご自身の年末調整で生命保険料控除を申告しても、税額は減りません。控除を活かすには、所得税を納めている夫の側で申告できるかどうかがポイントになります。

負担者は誰か:場合分け

保険料の支払い方負担者夫の年末調整で控除できるか
夫の口座から引き落とされている/夫の収入で家計を賄っている夫できる(名義が妻でも可)
産休前の妻自身の給与や貯蓄から支払っている妻原則できない

夫が申告する場合は、妻名義の保険料控除証明書を夫の勤務先へ提出します。

注意したいポイント

  • 控除額には上限があります。 夫自身も生命保険に加入している場合、一般・介護医療・個人年金の区分ごとに控除額の上限があります。合算すると上限に達して効果が小さくなることがあり、夫名義の保険だけで上限に達しているなら、妻の証明書を出しても夫の税額は変わりません。
  • 自分の勤務先への書類は通常どおり提出します。 保険料欄を空欄にしても、扶養控除等申告書と基礎控除申告書等は提出してください。復帰後の給与から源泉徴収(給与からの天引き)された所得税があれば、年末調整で還付されます。
  • 夫の配偶者控除にも要件があります。 夫が配偶者控除を受けるには、夫の合計所得金額が1,000万円以下であることが必要です。

家族の社会保険料を負担した場合の年末調整は子どもの国民健康保険料を親が払ったら年末調整で控除できる?、年末調整と確定申告の関係は自分で確定申告するなら年末調整は不要?でも解説しています。

まとめ

  • 生命保険料控除は、名義ではなく保険料を実際に負担した人が受ける
  • 育休中で自分の所得が0円なら、夫が負担している保険料は夫の年末調整で申告するのが有利
  • 夫側の控除額の上限と、自分の勤務先への扶養控除等申告書の提出を忘れずに

この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。

よくある質問

妻名義の生命保険でも、夫の年末調整で生命保険料控除を受けられますか?
保険料を実際に夫が負担していれば受けられます。生命保険料控除は契約者の名義ではなく、保険料を負担した人が受ける控除です(所得税法第76条、タックスアンサーNo.1140)。保険金の受取人が本人・配偶者・その他の親族であることも要件ですが、家族の保険であれば通常は満たします。
育休中の自分の年末調整では、保険料欄を空欄にして提出してよいですか?
夫の年末調整で申告するなら、空欄で差し支えありません。ただし扶養控除等申告書や基礎控除申告書などは通常どおり提出してください。給与から天引きされた所得税があれば、年末調整で還付されます。

※本記事は2026年10月20日時点の法令・制度に基づく一般的な解説です。個別の状況により結論が異なるため、実行前に専門家へご相談ください。

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