ご相談の内容
給与の支払元が1か所の会社員です。部屋を片付けていて、10年以上前に定価で買ったりお店の特典でもらったりしたトレーディングカードを買取に出したところ、合計で30万円ほどになりました。いちばん高いもので1枚20万円、ほかは5万円、3万円、1万円と、数百円〜数千円のものが数枚です。転売のための仕入れはしていません。
確定申告は必要か、必要なら所得の区分は何か、年末調整の生命保険料控除はどちらで申請すればよいか。もう1枚15万円ほどで売れそうなカードを翌年に回した場合、何回にも分けて売ると事業とみなされるのか、というご相談です。
- 趣味で集めたカードの処分であれば、1枚(1組)30万円以下の売却は生活用動産として非課税で、確定申告は不要と考えられる
- 課税対象とされた場合でも区分は譲渡所得。10年以上持っていたものなら長期譲渡所得で、50万円の特別控除の範囲内に収まる見込み
- 生命保険料控除は年末調整で申請してよい。年をまたいで分けて売っても、それだけで事業とはみなされない
回答
確定申告は必要か
自分が使っていた家具や衣類などの身の回り品を売った場合、1個(または1組)の売却価額が30万円以下であれば非課税です(所得税法第9条第1項第9号、所得税法施行令第25条、タックスアンサーNo.1460)。これを生活用動産(日常生活で使う身の回り品)の非課税といいます。
今回は、いちばん高いカードでも20万円で、30万円を超えるものはありません。趣味で集めたカードを処分したものですので、この非課税に当たると考えられます。そのため、確定申告は不要です。
収集品として課税対象とされた場合
カードの収集品としての性格が強く、生活用動産に当たらないと判断される場合もあり得ます。その場合でも、結論は変わらない見込みです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所得の区分 | 譲渡所得(資産を売ったことによる所得) |
| 保有期間 | 10年以上前に取得 → 5年超保有の長期譲渡所得 |
| 特別控除 | 年50万円(所得税法第33条第3項・第4項) |
| 結果 | 売却額30万円から取得費(購入代金)を引いた譲渡益は控除の範囲内に収まり、所得はゼロ |
雑所得や一時所得には当たるか
課税対象となる場合でも、区分は「譲渡所得」です。仕入れて転売するような取引ではないため、雑所得や一時所得、事業所得には当たらないと考えられます。
生命保険料控除はどこで申請するか
確定申告が不要であれば、生命保険料控除は会社の年末調整で申請してください。仮に確定申告をすることになった場合でも、年末調整で受けた控除はそのまま引き継がれます。年末調整で申請しておいて差し支えありません。
翌年に回して分けて売ると事業になるか
長年持っていた私物を、年をまたいで何回かに分けて売ること自体で、事業とみなされることは通常ありません。事業や雑所得として扱われやすいのは、利益を得る目的で継続的に購入して売却する場合です。
また、15万円ほどのカードは年内に売っても30万円以下ですので、ほかのカードと同じ扱いになります。年内に売るか翌年に回すかで、確定申告の要否は変わらないと考えられます。
注意したいポイント
- 1組のものは1組で判定する:本来セットとして扱われるものを、あえて分割して売却する場合などは、1組単位で30万円を超えるかどうかを判定する点に注意が必要です
- 購入して転売するようになったら扱いが変わる:今後カードの売却を繰り返す場合や、自分で購入して転売するようになった場合は、扱いが変わることがあります。その際は、改めて取引内容を確認しましょう。中身の分からないパックで当てたカードを売る場合の考え方は、オンラインオリパで当てたトレカを売った場合の税金で整理しています
- 買取明細を残しておく:何を、いくらで売ったかが分かる買取明細は保管しておくと安心です。フリマアプリで日用品を売る場合の考え方は、フリマアプリで不用品を売って20万円超になった場合もご覧ください
まとめ
- 趣味で集めた古いカードの処分で、1枚(1組)30万円以下なら生活用動産として非課税。確定申告は不要と考えられる
- 収集品として課税対象とされても譲渡所得。長期保有なら50万円の特別控除内に収まり、所得はゼロになる見込み
- 生命保険料控除は年末調整で申請してよい。年をまたいで分けて売っても事業にはならないが、セットの分割売却や仕入れ転売は扱いが変わる
この記事は、実際に寄せられたご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して作成しています。個別の状況によって結論が変わることがありますので、詳しくは税理士にご相談ください。
